「いや絶対ないでしょソレ」

「あります!!!ありますとも!!!」



部活が始まる前、と財前が何やら言い争いをしている。
コートに向かおうとしていた謙也と金ちゃんがそれを見かけ立ち止まった。



「お前ら何けんかしてん?」

「ケンカはようないでー!!って白石言うてたでぇ〜???」

「いやだって先輩がウソつくから」

「ウソじゃないから!!」

「何の話やねん」

「財前くんが私の胸は絶対Bカップもない!!とか言うんだよ!?」

「ブッッッッ!!!!」



がそういった瞬間、謙也は吹き出した。



「いやだってないでしょソレはいくらなんでも。ウソにも程があるわ」

「ペチャパイっていうから私Cカップですぅー!!!って言い返したらコレだよ!」

「ちょっちょっちょっ!!!!!!いや、お前ら何の話をしとるかと思えば・・・!!!金ちゃんの教育に 悪いことはやめーや!」

「年上の女をなめないで!」

「1個やん。しかも先輩早生まれやから白石部長より俺との方が年近いやろ」

「ざっ財前くんが何と言おうと私はCカップ女子だから。本当だから」

「フーン。」


「・・・???謙也、しーかっぷって何?」

「あ、ああ・・・・・うーん・・・・・・胸の大きさの話や」

「胸?」

先輩は大きい言うけど、全ッ然ないっすわ。今もそれペタンコやん。ないやん。絶壁やん。」

「あるから!!!!!着痩せしてるだけなの!脱ぐと凄いんだから・・・!!!」

「はーん。すごいすごい」

「思ってないでしょ!!!!!」



その話やめーや・・・と無駄に思春期全開で照れている謙也と、 その痴話げんか(?)を物凄く無垢な目で見ていた金ちゃん。 しかし次の金ちゃんの行動に一同は目を丸くする。



「!!!!??????」

「ちょっ!!!!!」



何の悪気もなく金ちゃんは、のTシャツの裾をたくしあげた。



もちろんその中・・・は財前・謙也にも丸見えであり。




「きゃあああああああああああ!!!!!!!!」




「ちょーーーー!!!!!?????金ちゃんあかんで!!!!!!」



謙也が金ちゃんを抱えてから離した。は腕をクロスにして胸を隠した。
さすがの財前も目を丸くして茫然とした。そして固まった。



「どしたん!!!???の声聞こえたんやけどっ!」



が奇声を上げたため遠くの方から歩いて部活に向かっていた白石が駆けつけてきた。



「く、蔵・・・!!!」

、どないしてん!?大丈夫か!?」

「あ〜・・・いやコレは事故でな・・・白石

「え?」

「蔵、謙也と財前くんに胸見られた!!!!もう私お嫁にいけない!!」

え!?



状況が読み込めなかったが、どうやら不慮の事故でここにいる3人に胸を見られたようだ。
金ちゃんが「だって光がウソやいうから本物見た方が早いって思うたんやもん」と言っているのを聞くと 十中八九間違いないだろう。



「最低!私どうせ見られるなら蔵が良かった!!」

「なっなんやねんその汚いものに見られたみたいな言いぐさは!」

「てか先輩、水色なんすね」

「!!!!!!!!」

「そ、そーよ!!!!何か悪いの!?」

「頭に焼きつけときまーす」

「はぁー!?ちょっとやめてよ!!!!」



財前があざ笑うかのようにそういってコートに逃げた。
謙也も金ちゃんを連れて逃げた。



「・・・・・・・・えっと、・・・胸見られたって・・・・・・・?」

「さっき金ちゃんにTシャツまくられて・・・・!!ごめん蔵・・・。いや、ごめんもなんかおかしいけど・・・」

「・・・」

「蔵はそんなの興味ないよね!!!!ごめんねこんな下品な話題!」



お互い思春期のためなんか気まずい空気が流れた。
と白石はまだ付き合い始めたばっかりなので余計に。
が「いやそうじゃなくて何と言うかその」と戸惑っていたら白石が口元を手で覆い隠した。



「??・・・・・蔵?」

「いや、・・・・・・ちょっと2人が羨ましいと。・・・・・・・ちょっと。思った、だけ・・・」

「!」



白石が耳を真っ赤にして照れながらそう答えた。
目を左右にそらしつつ、「・・・って何言うても変になるけど、、俺はが好きやし・・・・・・そら興味ないわけないというか・・・・ って誤解はせんで欲しくてその・・・」と動揺していた。照れながら否定しつつも否定しきれない、 大人な振る舞いを見せる白石にもそんな年頃な一面があるのが意外であり、可愛い。



「蔵、・・・・・・もしかして悔しいって・・・・・思ってる?・・・・・・・・・・・・とか?」

「・・・・・・ごめん、なきにしも・・・あらず・・・・・・!!!!」



目線をそらして、鼻の下に手の甲をあてながら言う白石にの胸はドキドキする。




(蔵もちゃんと男子、なんだなぁ・・・・・・)

アカン、集中できひん。見てない分余計に想像力が・・・・!!





(17.9.18)