蔵、そのお返しはどうするの!











バレンタインという一大イベントを終えた今日この頃。


彼氏の蔵は今年も絶好調でモテモテだったため、チョコを大量に獲得した。
彼女として彼氏がモテているのは誇らしい事だし、単純に私は嬉しかった。

それは蔵がなんだかんだで私を一番に考えてくれてるっていうのが分かってたから。



だけど蔵、なんで




なんでそんなにお返しを真剣に考えてるのーーーー!?






チョコレートを大量にもらったということは、蔵は大量にお返しをしなくてはいけない。

そもそもお返しなんて返さなくてもいいけど(謙也なんて返してないし)
蔵の性格上そんなことはありえないと思うから、しょうがない。
けど、けど、そこまで真剣に何を返そうか考えられると嫉妬しちゃう!


こんなとき嫌な自分がでてくる。
私のやつは真剣に考えてほしいけど、他の子も一緒なの!?

蔵は、すごく優しくて性格もかっこよくて思いやりのある人だから
適当に返したりできないっていうのは分かってる。
完璧な性格だからどうせなら喜びそうなものをあげたいって思ってるのも分かってる。


分かってはいるけど・・・・・・・・





「嫌なものは嫌なの・・・・・・!!!」


「・・・・・・・・えっ。・・・・・?あっ、ごめん、なんか言うた!?」





蔵ってば、最近そんな感じでお返しのこと考えてる。

律儀すぎるよ蔵。
私知ってるんだから、皆との寄り道に使う交際費を削ってまで
お返しする費用を貯金してること!!!!




「なっ何でもない!」

「はは、ごめんな。ちょっとぼーっとしてた」

(なんでかな)




私の心が狭くてごめんね蔵・・・・!
でもやっぱり私、悔しいの。





3/13の部活が終わったころ、蔵は校門ではなく昇降口の方に向かった。
両手には紙袋、中にはお返しの品々。
きっと3/14に登校してきた人たちが朝一で受け取れるようにするんでしょ。

直接手渡ししないだけまだ救いだね。



急いで走る蔵の背中を見てムスッとしていたら、謙也が気づいた。
謙也はホワイトデーなんて忘れているに決まってるから
蔵の行動に予測なんてつかないよね。だって、



「バレンタインのチョコレートをもらったら、それで終わりだもんね謙也は」

「何が言いたいねんお前は!!」



謙也がバレンタインの日に「死ねバレンタイン」って言っていたけれど
私も今「死ねホワイトデー」って思ってる。

この時ばかりは、謙也みたいに幸せな性格してて欲しかったよ蔵!
でもそれだと謙也褒めることになるからやっぱり違ってて良かった!

蔵、私もう帰っちゃうんだからねっ!!!!





ムスッとして帰っていたら、歩いていくにつれ悲しくなっていった。
っていうか、空しい・・・・・・。


しょうがないことなのに許せなくて、
かといって物わかりのいい人だなんて思われたくなくて

きっと私は、怒ってる私を蔵に「ごめんなー!」って言われて
頭撫でられて特別扱いされたいだけなの。

面倒くさいって凄く思う!

知ってるの。だって去年も同じことでへこんで同じこと口にしたら
それを聞いていたユウジや小春くんに「面倒くさいわ!」って声を揃えて言われたから。
知ってるの、知ってるけどどうにもなんないの!
私は蔵と違ってすぐに感情的になっちゃうから





ー!!!!!」


「っ!!(蔵!)」




振り返ると蔵が追いかけて走ってきていた。

なんとなくだけど私はそのまま歩きつづけた。
けど蔵に追いつかれてしまった。




、1人で帰ったら危ないやん!俺のこと待ってくれてもええやん」

「・・・・・・・・・だって蔵、忙しそうだったから」

「え?」

「だって蔵忙しそうだったから!!!!!!!」




プイッと顔を背けると、沈黙が走った。
けど蔵はすぐに状況を察したのか、フッと笑った。




「去年とおんなじ顔や」

「・・・・・・なによ」

「1年経っても同じように俺のこと好きなんや」

「!!??」

「去年も怒ってたよな、


「そ、そーよ!悪い?」

「でも去年そうやって怒ってたん覚えてたから、今年は俺も考えたで」

「えっ」

「今日は3/13やから、明日に備えてバレンタインにチョコくれた子の 下駄箱にお返しのものを用意してきたんやけど」

「しってる・・・」

「そのお返しの品は、バレンタインの翌日には全部考えとって、 今日まで悩んでたのはもっと別の理由やで?」

「えっ」



お返し・・・・・・・・真剣に考えてたんじゃないの!?



「3/14にと帰りにデートしようと思うてたから、その計画たててん!」

「えっ????」

「3/14は部活も休みやし一緒にご飯食べて買い物して帰りたかってん」

「うそうそ、そうなの!?」

「調べとったんはにお返しで、おいしいケーキ食べてほしくて、 おいしいケーキが食べれる可愛いカフェとかいろいろ考えとってん」

「!!!!!」

「3/14の当日はお返しする人に1秒も時間とられたくないからな。
のためだけに使おう思うて前日の今日に下駄箱につっこんできてん!」




そうだったの・・・・・・・・・!!!!????




「っちゅーわけで、明日はの事独占しよう思うてるから」

「・・・・・・!!!」



「明日は俺に付き合うてな♪」





にっこりと笑う蔵。なんだか申し訳なかった。

思わず蔵に抱き着いて「蔵大好きすぎる!」って言ったら
蔵も「俺も大好きすぎるわ!」と笑いながら言ってくれた。



ホワイトデー、なんて素敵な日なの!
ホワイト。結婚式もそうだけど白って素敵な色だよね!

やっぱり白のつくものに外れはないってことだよね♪


ね、白石蔵ノ介くん♪





He makes her happy!!
(蔵、大好き!)



白石くんは素敵なお返しをすると思います。 そして彼はいつでも素敵な返しをしてくれると思います。(14.4.14)