、俺と付き合ってくれる?」

「えっ・・・!!!もちろん!喜んで!!!」










ついについについについにーーーーー!!!

あの白石蔵ノ介こと白石くんと付き合う事が出来たー!!!!!



私は白石くんのことがずっと好きで、第一印象からこの人と決めていた。
もう説明がいらない彼の全てに惚れた。
知って行くうちにますますハマっていった。

最初のきっかけはベタに隣の席からだったけれど
白石くんも私に興味を持ってくれて、そこから仲良くなって今に至る。
しかも白石くんから告白してくれた・・・!!!



告白されたその日の帰り道は一緒に帰った。


「なんで私の気持ち知ってたの?」って聞いたら
「だって、俺のこと好きそうな目で見とったし」って笑われた。

「俺に言わせるとは、なかなかも小悪魔やな」っておでこをツンとされたときは
不覚ながらも本人を目の前にしてニヤけてしまった。





そんな白石くんとは今日で付き合って1週間目。

だけど白石くんは部活で忙しいみたい。
告白された日に一緒に帰ってから、毎日少し話したり夜にメールするくらいで
あんまり白石くんとカップルって感じがしない。


白石くんも普段通り振舞ってるしなぁ。
だからあんまり恋人ができたって感じがしない。

仲の良い女の友達には「白石くんと付き合えた!!!」って報告して
皆もきゃーきゃー大騒ぎして私を祝福してくれたけれど、
「チューした!?」「白石と何喋るん!?」「何て呼び合っとるん!?」って
質問されたときに返答に困ったりする。

だって白石くんは「白石くん」だし、何もしていないし。




うーん。付き合えた事がすっごく幸せだけど・・・・・・・・

白石くんが私のこと本当に好きなのかなーって疑問に思っちゃうよね。


あんなに完璧な白石くんが私を好きになるなんて、誰もが持つ疑問!

でも白石くんはいつも通りだから全然わかんない。
もちろん、彼の事だからそんな無責任に誰かと付き合うわけないって分かっているけど。


あーあ。白石くんといちゃいちゃしたいなぁ・・・・・・・・。







それから7日後、つまり付き合い始めて2週間が経った日の事だった。




「なぁなぁ

「んっ??何??」



全ての授業が終わって帰りのHRも終わった時、白石くんが私の席までやってきた。
まぁ・・・これはよくある事。付き合う前からもね!

片手には日誌的なものを持ってる。



「俺、この後部活に行くねんけど・・・」

「うん」

「最近新聞部にも顔出したりしとったら、部活の日誌チェック出来てなくてな」

「うんうん!」

「せやからこの後もうちょっと教室に残ろうかなぁって思うんやけど、も一緒に残らん?」

「えっ!いいの!?」

「あははっ!ええよ」




というわけで私と白石くんは放課後の教室に居残りすることにした。
クラスの皆は部活に行ったり、帰宅したり、あっという間にハケていった。

だからHRが終わって10分もすれば、教室は私たちの貸し切り状態だ。




私はひたすら白石くんが日誌に目を通していくのを横で見ていた。




「へー!って妹おるんや」

「そうなの。もうぜーんぜん言うこと聞いてくれなくて、超むかつく!」

「ああ〜・・・わかるわぁ。俺も妹おんねん」

「知ってる知ってる!有名だもん。1年の友香里ちゃんでしょ?」




2人で他愛もない話をしながら談笑中。
こんな時間、滅多にないからすっごく幸せ・・・・・!!!!

白石くんは日誌に何か書いてる。きっと部活日誌の内容に何かツッコミ書いてるんだ。
(それにしても綺麗な字で書くなぁ・・・。)(丁寧に返事書いてそう)




は妹と似とる??」

「ん〜〜〜・・・。まぁ、結構似てる方かなぁ。でも妹の方が目が大きいんだよ」

「写真とか持ってへんの?」

「・・・・・あ、この前そういえば写メ撮ったかも。」




私は携帯を操作して妹の写真を出した。
すると白石くんは日誌そっちのけでこっちに寄ってきてくれて
「どれどれ?」と楽しそうに覗き込んだ。




「どう??似てる??」

「へぇー!!!妹さん、こんな顔しとるんやな!制服ちゃうけど他校なんや」

「うん!」

「・・・ふーん。・・・・・でも・・・・アレやな」

「んっ?」




の方が可愛えな」




「ゲホッゲホッゲホッ!!!!!!!なっ!?ちょっ!!!?」






私は急な白石くんの一言にむせてしまった。
ええええ!?今完全に気を抜いてたよ!!!!!!!





の妹やーって分かるけど、俺はの方が可愛いって思う」

「え・・・!あ、ありがとう・・・!!!」

「てか、ってホンマ素直やんな」

「え!?素直!?」

「なんか俺のこと、フツーにかっこええとか言うし、俺のこと見とるとき分かりやすくニヤけとるし。」

(バレてる・・・!)



それはしょうがないよ白石くん・・・!!!!!
だって隠せないぐらい嬉しいんだもん、白石くんと喋ると!



「俺が話しかけた時とか、小動物みたいに目キラッキラさせてこっち振り向くし、」

「それは嬉しいからだよ!」

「なんか、逆にそうやって素直に自分の感情出せる子っておらんから、俺もなんか ニヤけてまうわ。・・・たまに」

「え?」

につられてしまうねん」

「私に??」

「そう。せっかく俺がスマートに感情隠してにかっこええとこ見せたろうって 過ごしとるのに、がそうやって俺と絡んで嬉しそうにしとったら隠せんっちゅーか」

「・・・白石くん、私といて楽しいの!?」

「なっ!そ、そんなん当たり前やろ!・・・今やってめっちゃドキドキしてんねんから・・・!」




白石くんは、珍しく視線を逸らしながら照れくさそうに言った。




「なかなかと2人になれるチャンスがあらへんから、変な小細工までしてしまうくらい 俺は好きやで」

「変な小細工???」

「俺が日誌、此処まで溜めると思う?」

「・・・・・・・・・・あ。」




白石くんは呆れたように笑った。

えっ?じゃあ今日もしかして残ってくれたのって・・・・・・




「誰かさんと残る為にはこうせんとな☆」

「だ、大丈夫なの!?部活はっ・・・」

「たまにはと喋らんと俺が大丈夫ちゃうねん」



そういうと白石くんは私のことをじっと見つめた。
さっき携帯の画面を見せたから距離が近い。

白石くんに見つめられてすごく恥ずかしい。けど、すごく嬉しい。
白石くんは私の顔を覗き込むように顔を傾けてきた。


あ・・・・・もしかしてこれって・・・・・!!!!!!!!




私はそっと目を閉じた。






・・・・・・・・ん?




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?







何秒立っても何も起こらないから私はそーっと目を開けた。


すると目の前には嬉しそうにこっちを見る白石くんの顔。
私と目が合った瞬間、プッと笑った。





「も、もー!!!!!やめてよ!!!!恥ずかしかったじゃん!」

「プッ、あはは!!!ごめんごめん!」

「〜〜〜〜!!!」

「・・・・でも、何を期待してたん?」

「なっ・・・!!!!!」





今度は意地悪く笑う白石くん。





「なっ、何ってそっ・・・それは・・・」





私がそう言いかけた時、白石くんは私の二の腕あたりを両手で掴んで
グッと自分に引き寄せてキスをした。


ふ、ふ、不意打ちすぎるよーーーーーーー!!!!!





唇が離れて私がびっくりした顔をして、
顔を赤くしながら精一杯の「もう!」っていう睨み顔を利かせていたら

白石くんはピースしながら「だって、俺とキスしたいって顔しとったんやもん」と意地悪な顔で言ってきた。




にめっちゃ触りたい気持ちでいっぱいやで」

「ほんと??」

「おう、ホンマや!せやからこれからもっと距離縮めて行こうな」

「うんっ!!」



私が嬉しそうに返事をすると、白石くんは私のおでこをピーンと弾いて
「なんやねん、その可愛い返事っ!」と恥ずかしそうに言った。






なんやかんやで白石くんと一番したいことは「イチャイチャ」だと思います。(11.11.2)