なんでお昼の授業ってこんなに眠いんだろう・・・・・ 窓際の席になってて良かった。 外を眺めてればヒマつぶしになるし、なんか癒されるよね。 グランドではどこかのクラスが体育をしてる。 先生もおじいちゃんの先生だし、こんな私を気にも留めず授業を進める。 (この先生の黒板の字、達筆すぎてノート取る気が失せるんだよね) と、その時だった ブルブルと携帯が震えた。・・・・・ん?誰だろう・・・?? 一応先生の目線を気にしながらポケットから携帯を取り出した。 するとそこにはある人物からのメール。
・・・白石くんか。 私は白石くんの席をチラッと覗き込んだ。 すると白石くんもこっちを向いていて目が合った。 ・・・笑ってるし。 私は白石くんにそのまま返事した。
そのメールを読んだ瞬間、白石くんが携帯を見て笑う。 そして机の下で白石くんが私にだけ見えるようにピースサインを送る。 授業が終わって、私は上の階へ上がった。 私たち3年生のあるクラスのひとつ上の階はほとんど使われてないフロア。 選択授業で使ったりする教室や、滅多に使わない視聴覚室があったり、 ほぼ人通りのないフロアで一人でぼーっとするのに丁度いい場所なんだよね。 今日はすごくいい天気だし、日の光があったかい。 青空が綺麗に見えるこのフロアの階段の踊り場が私のお気に入り。 階段に座って、喋ったりするのが大好き。 ・・・・・・え? 誰とって? それは。 「今日はえらいぼーっとしてるんやな」 白石くんだ。 白石くんはあははっと笑いながら私の横に座った。 「いい天気の日だと、やっぱり外見ちゃわない?」 「見る見る!でも自分ずるいで、俺の席廊下側やもん」 「教室にいながらサボれるからね☆」 「はは、悪い子」 「白石くんも保健室でサボってるでしょ」 「ん?何の事かさっぱり」 「うわー。性格悪ーい!」 「でもこの前は一緒にサボったやん?も同罪」 白石くんはそう言うと、私のほっぺをツン、とつついた。 同罪・・・。うん、もうそれは初めからだよね。 白石くんは私の方を見て優しく笑う。 顔に手を伸ばされて横髪を掻き上げられたと思ったら、そのまま唇を重ねられた。 挑発するような色っぽい白石くんの雰囲気。 綺麗で、正統派で、好青年。そんな雰囲気がガラリと変わるこの瞬間が結構好き。 「・・・・・・ん・・・・・・・・」 唇を離した後、はっと気づいて私は携帯の時計を見た。 もうそろそろ授業が始まる時間が迫ってる。 「ところで白石くんは最近どう?」 「んっ?ああ、せやな。・・・・・相変わらず、やで」 「相変わらずってことは、他の男の子にばっかり声かけてるんだ、彼女」 「ストレートな言い方やなぁー。これでも傷ついとんやで?もうちょっと優しくしてや」 「あははっ!ごめんごめん」 「そういうは?彼氏に相変わらず放置されとるん?」 「もちろん!あははっ、もはや付き合ってないよね。でもしょうがないよ。 私のことをそれでも留めておきたいみたいだし」 「お互い、顔がいいと苦労するな」 「私そこまで言ってない!白石くん自覚あるんだね」 「だってそうやろ。今の彼女も、俺の事顔とか肩書きで選んでんねんから。 そんな俺が彼氏っていうステータスを持って、他の男に媚を売るとかどんだけやねんって カンジやん?他の男からすれば、"言い寄られて可愛いけど・・・でも白石がおんねんな"って カンジやろ。モテるんを楽しみたいんや、どうせ」 「確かに白石くんが彼氏だと、いろいろ自慢できるもんね」 「せやろ?自慢するために俺が彼氏になるまで俺に一生懸命やったんやで。 それが俺が彼氏ってポジションについた途端、他の奴らにちやほやされたくてフラフラ。 付き合う前は俺もその気になって冷静になれへんかったし、全然気付かんかった。・・・やられたわ」 「早く別れればいいのに」 「上手くしっぽ出すん待ってんねん。今別れよう言うても俺が悪者になるやろ。 別れる時はアイツが悔しくなるぐらい、仕返ししたるわ」 「ええー!仕返し?」 「はは、そう。おもちゃにされてんねんから、おもちゃにして捨てたる」 「こわ・・・!私白石くんだけは敵に回したくない」 「の敵にはならんよ」 そう言って白石くんは私の頭を撫でる。 「お互い、早く別れるように頑張ろうね☆」 「ははっ。せやな!」 「じゃあ別れたら付き合おっか」 「可愛いこと言うやん。でも、俺もに賛成。もうちょっと待っといてな、」 そう言うと白石くんは私にキスをした。 唇を離した後お互いに至近距離で目が合ってあははっと笑い合った。
(11.5.26) |