人とはありとあらゆるものから求められたいと思っており、 その願望が満たされた時「もっと」を求める場合がある。 人は思っている以上に空腹状態にあり、だからこそ誰かに優しくされた時や 心に残るような思い出があった場合、満たされるような感覚に陥り まるで毒がまわったように「誰か」に依存し心を預けたいと思ってしまう。 しかしながらその「もっと」とは常に与えられるものではなく、 心を預けたいと思える相手はそうそういないものだ。


・・・え?私は何が言いたいかって?



私の性に合わないから、単刀直入に言おう。


2回目のエッチってどうしてますか・・・・・??????





私はこの前蔵と一線を越えた。


蔵と私は本当にゆったりと付き合っていたから、付き合い始めて結構経って
やっと手が出されたってかんじ。


女子としてはあまり早くに手が出されると不安になるし(怖いし)

とかいってずっと手を出されないのも、不安になる・・・・・・



蔵はそのちょうど中間の「いいとき」に私のことを「女の子」にしてくれた。



この中間の時期って難しいよね。

付き合って蔵の素性が全てわかった上で怖くもないし、
魅力がないのかなと不安な時期でもない。
好きだから、そろそろかなーってワクワクしてるタイミングだったから
蔵だからこそ分かってくれたってかんじがする。


・・・って蔵の自慢話は今はおいといて。




初めてのときは、それなりに心の準備や覚悟なりなんなりあった。

「蔵なら大丈夫!」「痛くても蔵なら痛くされても平気!」「この人になら任せても良い!」
そんな心構えがあったからとにかく大丈夫だった。
実際蔵は本当に優しかった。私も緊張してドキドキしてあんまり記憶がないけれど
蔵を好きになって良かったなーっとか、蔵が今まで以上に好きになったっていう気持ちは確かにあった。



初めてのときは「もっとお互いに好きになるためのステップアップ!」
ってかんじだから良いとして・・・・・・・


問題は此処からだ。





2回目ってどうすれば???





世間一般的に2回目ってどうしてるの・・・・・???





まず2回目をする動機って何なの・・・!?


そっそりゃ好き同士だし!?またしちゃえばいいじゃん!って思うけど・・・!!
でも、今度からはこれがメインになっていくんだよね・・・・・?

もう1回しちゃったわけだし、私は蔵に身を預けたわけだし
だからそういう流れになったら、しなくちゃいけないんだよね・・・??


いやっ・・・したくないわけじゃないけど・・・!でも、しなくちゃいけない事なの・・・?

例えば初めてのときは一度断っても「この子まだ怖いんだな」って許されるけど
2回目になったら「なんだよ!断るのかよ!」って・・・・思われないかな?
蔵は優しいから思わないだろうし言わないだろうけど・・・・・・・・・!!!

でも蔵も男の子なわけだし、「したい」って言うからには本当にしたいんだろうし。

それを私の判断で断っちゃうと何だか可哀想な気もする。




それに、1回目を体験した後だとなんかちょっと怖い感じもする・・・!


だって・・・・・


1回目はもう蔵にお任せってかんじで。
何が起こるのかよく分かってない部分があったから、本当に成すがままで。
でもそれが全部分かってしまった今・・・なんか怖い気もする。

(正直に言う!痛かったよ!)(それになんか終わった後も感覚消えなかったよ!!)


それをまた味わうのかぁ・・・と思うとそれはそれで嫌だし怖いし。
1回目より2回目の方がすっごく勇気いるよね。


痛いって分かってて、なんでしなくちゃいけないのかなーとか考えちゃう。




これからの私と蔵の付き合いは、これがメインになるのかな。

私は・・・やだな。


確かに蔵と一歩踏み込んだ関係になれたのは嬉しい。
だけど私としては蔵とは今まで通りゆるーく付き合って行きたい気持ちの方が強い。
これがメインになるのはやだよ。




そして2回目の謎その2。・・・タイミング。



初めてから何日後とか何ヶ月後にするものなの・・・・・!!??



だって雑誌には「初Hまでどれくらいかかった?」とかアンケートがあって
私もお年頃だし、まだ未体験の身だったから興味津々にアンケートの回答を見ていたりしたけど
こういうアンケートって2回目はいつ?とか書かれてないんだよね・・・!



なんか一線を越えたら越えたでいろいろと問題があるんだなぁ。

彼氏持ちの友達、いや・・・世の中の女の子は皆こんなこと思ってるのかな?
皆どうしてるのかな???





・・・・・蔵に相談してみようかな。



普通こういうことって、彼氏には聞けないものだけど
運のいい事に私の彼氏の蔵はこういうことが結構聞きやすい。

やっぱりこういうのって、私と蔵の問題だし。

蔵に言ってみるのが一番いいかなぁ。









というわけで私は部活帰りに蔵に相談してみることにした。





「―――――ってカンジで今日のとこの金ちゃんは上手く抑えつけれたわ」

「そっか。毎日大変だね、蔵も」

「まぁ、可愛い弟できたみたいでオモロイな。友香里と違うて素直で言う事聞くし」

「ねぇ蔵」

「ん?」

2回目のエッチっていつする?

ブッ!!!!




突拍子もなく私が質問したものだから、蔵はむせた。

(・・・蔵の話全部聞き流してエッチの事ばっかり考えてたよ私!)
(でもだってだってー!)




「げほっげほっ!!!なななっ・・・何言い出すかと思えば・・・!!! さん、何の話ですか」

「あはは!ごめんごめん!」

「どしたん??」

「なんていうか、初めてのときより2回目する方が怖い気がして・・・」

「??」




私は蔵に自分の気持ちを伝えた。
最初は「何でそんな話を今此処で?」というかんじで聞いていた蔵だけど
ちゃんと話を聞いてくれて最後の方は「うんうん」と真剣に頷きながら聞いてくれた。




「というわけで、私は蔵が好きだけど・・・!あんまり気が進まないっていうか・・・!!」

「ははっ。なんやそんなことで悩んでたん?」

「え!?」

「可愛いとこあるやん、も」



蔵はそういうと笑った。え、何かおかしいことでもあったかな・・・



「そっか、そうやんな。女の子は怖いよな」

「・・・うん」

「大丈夫。がそうやって悩んどるんなら、俺も分かるから」

「・・・ほんと?」

「おう、当たり前や。だっての体やん。大事にしてあげたいし」

「蔵・・・」

「なんていうか、嫌って思われるときにしたくないし、どうせするなら 俺も、も、2人で一緒にやりたいなってときにやりたいし」

「・・・・・・!」

「だってこういうの、デートと一緒やろ?」

「??デート?」


「デートだって体調も気分も元気なときじゃないと楽しめんやろ?」

「なるほどー!」

「それと一緒。俺が楽しくても楽しかったら、それ以上嬉しいことないやん?」

「・・・うん!」

「2人で同じこと考えとるときが一番楽しい瞬間やと思うねんな。 せやから、俺がしたくてもがやりたくなかったら、俺はやらん」




・・・・蔵・・・・・!!!!!(もう、何でそんなに優しいの!?)

理想的すぎる蔵の優しくて理解力溢れる答えに私は感動した。




「男は気持ち良くなって終わりやけど、女の子はそうもいかんやろ」

「!」

「俺はのこと大事にしたいねん。せやから約束する。」

「ありがとう蔵・・・!!!そこまで私のこと考えてくれてたんだね・・・」

「アホか。当たり前やろ!」

「えへへっ!嬉しいなぁー」

「・・・・・・(何可愛く笑うてんねん・・・!)」




・・・あれっ?でも蔵はそれでいいのかな・・・

わがまま言ってる手前、ちょっと蔵にばっかり気を遣わせてるみたいで悪い気もする・・・




「蔵、蔵は大丈夫なの?」

「え?なにが?」

「だからその・・・・・蔵にばっかり我慢させてる事になるし・・・」

「ああその事なら心配せんでもええよ!」

「ん?」



「俺、頭ん中で何回もとしてる事になっとるから」

「なっ・・・!!!!!!」




蔵はそう言うと悪戯する子どもみたいにニヤリと笑って、
こめかみのあたりを指でトントン、と叩いた。




「それに我慢した方が、実際するとき何倍もエクスタシーやん?」

「・・・・・・・。」

「・・・って意外と俺を焦らすん上手いな。実は、S?」

「・・・・・せっかく見直したのに・・・・・蔵のばか!(ぺちっ)」

「あははっ!!!」



(私もやりたいって思う日がくるのかな) (そうなってくれると嬉しいな)(うーん。今は蔵とふっつーに遊ぶだけで楽しいからいいや♪) (ははは!俺もゆっくりでええよ)(何か似てるね私たち)(一緒やな)



(10.5.16)