と白石付き合ってどれぐらいやっけ?」

「んー、この前でちょうど7ヵ月経ったよ!順調順調♪」

「元々お友達期間からイチャこいとったようなもんやしなぁ・・・」

「ええなぁ。うちもみたいに彼氏欲しい!」

「分かる。見とると彼氏欲しくなってくる」




友達数人と喋っているとそう言われた。
そっかそっか。蔵とはもうそんなになるんだねー。全然意識したことなかったけど。




「・・・で、。」

「ん??」

どこまで行ったん??









「キスした!?しとるよなぁ!?」

「い、いや・・・そりゃまあ・・・・・・」

「いや白石のことやもん。絶対もう行きつくとこまで行っとるって」

「せやなー!それもそうやな!」

「・・・え?行きつくとこまでって??」



私の言葉に友達が止まる。



「え?そこから先言わせる気!?」

「だって、蔵と私手を繋いだり・・・キスしたりするとこまでしかしてないもん」

「・・・・は?」

「ちょっ、ホンマなん?それ・・・」

「うん。」

「えーーー!!!!!ありえんー!!!!えっ、まぁそりゃ最終段階まで行ってないにしても・・・・・・・ ちょっと大人なキス、とかなら体験しとると思った!!!」



・・・大人なキス!?



「えっ?キスってそんなに種類あるの!?」

「・・・・・・・。」

「・・・あれ?皆何で黙って・・・・・・」

「え?本気?」

「だからさっきから本気だってば!大人なキスって何???」




私がそういうと、友達みんなに「ちょっと来て!!!!!」と言われて 教室の隅っこに連れて行かれた。そして耳元でごにょごにょと説明を受ける。 ・・・私の顔が真っ赤になる。




「えええええええ!!!?????ちょっ・・・!何それぇー!!!」

「何って・・・。大人のキスの話や」

「そそそそっそんなキスして・・・楽しいの・・・!!!???」

「せやからそれが楽しいと思えたら大人なんやって」








友達から大人なキスについての説明を受けたその日の放課後。
この日は蔵の家でいつものように一緒に宿題やったり喋ったりする約束をしていた。
(部活もない日だったしね!)



大人なキス・・・かぁ。



「ねぇ蔵」

「ん??どしたん??」

「今日ね、友達から"は大人なキスはしたことないん?"って聞かれた」

ブッッッッ!!!!!



急に咳き込み始める蔵。え!?私そんなに変な事言った!?



「あービックリした。急にどないしてん!?」

「なんか、7ヵ月経つから大人なキスも経験済みかと思ったって言われたの」

「・・・・・・。」

「蔵、その・・・知ってる?大人なキスってどんなのか」

「・・・・・・まぁ、一応・・・」

「私、今日初めて知った」

「え。マジで?」

「うん!だってそんなこと聞いた事もなかったし!」

「・・・・・せ、せやな」

「世の中のカップルって皆こんなキスしてるんだよね。
・・・でも、なーんか私はそれが不思議でしょうがないんだよね」

「・・・なんで?」

「だってさ・・・単純に考えて、・・・・汚くない!?」

「・・・・・!」




私がそういった瞬間、蔵が目を丸くして私の方を見つめた。
そして眉間にしわを寄せて「うーん・・・」と目線を逸らして何かを考え始めた。




「私には考えられないよー!!・・・そんなキスしても嬉しいのかな」

「・・・・せやなぁ・・・」

「蔵は、そんなキスして楽しい??」

「いや・・・。その、ええと。何て言えばええんか分からんけど・・・」

「蔵は出来る???」

「・・・!!」




私が蔵の顔を覗き込むと、蔵は頬を若干赤くしてプイッと逸らした。




「蔵?」




私から顔を遠ざけようとする蔵に私は飛び付いた。
それでも尚顔を逸らし続けて、私のことを「くっつくな!」と小突く蔵。




「あーもう!!何なん!そんな目で俺を見んといてや!」

「だってー!」

「っていうか、どんだけ純粋やねん」

「いてっ」



蔵は私のおでこをぱちっと弾いた。



「・・・アホ。出来るわ。俺だって」

「・・・・・!」



えっ・・・蔵、あんな不思議なキスが・・・できるの!?
できるってことは、やりたいって思ってる・・・とか・・・・・???

でも普通のキスでいいじゃん。なんでそんな不思議なキスをしなくちゃいけないのかな?




「・・・・・してみる?」




蔵は体の向きを私の方に向けて、じっと私のことを見つめた。
その表情の切り変わり方にどきっとする。
今の蔵はすごく色っぽいと思う。唇はすごく綺麗だし、鼻すじは通っているし。

どこか色気を含んだ瞳が一番そう感じさせる。




「え・・・・・えっと・・・・・・・・!!」




どんどん迫ってくる蔵の顔。
ええええー・・・えっと・・・!!!!ほ、本当にやるの・・・・!?
こ、怖い・・・!でもっ・・・・・・・

蔵の目から離せない。



蔵は私の後頭部を手で包むと、ゆっくり私を自身に引き寄せる。


友達から聞いた通り、蔵の舌が私の口の中に入ってくる・・・・・の!?

今から!?うう・・・うー!!!!



やだっ・・・・・・・・・・






そう思ったその時だった。




唇に一瞬柔らかい感覚がしたと思ったら、頭を撫でられた。


あれ?





「・・・なーんてな。今のにそんな事しません」

「・・・!」

「そんなビビった顔されたら、こっちも気がひけるわ」

「蔵・・・」

とはゆっくり、のんびり付き合いたいから。 こんなに焦って付き合うこともないやろ」

「・・・・・ありがとう」

「これから、も大人なキスが魅力的に思える日がくると思うし」

「えー??そうかなぁ」

「・・・ははっ。俺がそうさせたる」




すると蔵は笑いながら私のほっぺにキスをした。




「もっともっと、いろんな事を2人で経験していこうな」





ロ ゼ の 純 粋 な 恋 に 、 ほ こ ろ ぶ 。

(ホンマ、教え甲斐があるよなぁ・・・)(何が??)(何色にも染め放題やな) (ええー!じゃあ私、どうせならかわいい色がいい!)(・・・そういうトコ反則やん)



(11.4.14)