「?????なんだろうコレ」



リョーマくんとデートしているときのことだった。
公園でお昼ご飯を食べようと言う事になったので、公園内にあるサンドイッチやハンバーガーなどの サンドイッチが食べれるワゴンで2人でメニューを見ていると気になるものがあった。
あれこれ見るけどどれも美味しそうで、 私もリョーマくんも目移りしていた。だけどそのサンドだけは名前が異様で目についた。



「・・・・・エルビスサンド・・・・・聞いたことないなぁ、なんだろうねリョーマくん」

「・・・!あー、エルビスサンドなんか売ってるの?ココ。へぇ」

「えっ?リョーマくんこのサンドイッチ知ってるの?」

「知ってるよ。でも日本じゃ知ってる人は少ないかもね」



リョーマくんは懐かしいな、ってかんじの笑みを浮かべて「これください」って指さした。
エルビスサンドってそんなに美味しいの!?リョーマくんが即決するほどに!?



「じゃ、じゃあ私も同じやつに・・・」

「待って。はやめといた方がいいよ」

「え!」

「普通のにしときなよ。俺の少しあげるから」

「・・・!わかった、じゃあBLTとオレンジジュースにします・・・!!!!」




少し待つとすぐにサンドイッチとドリンクが出てきた。
私達はそれを持って木陰になっているベンチに座った。
ぽかぽかといい天気。風もそよいでいていい気持ち。

・・・あ!そんなことより!



「ねえリョーマくんの頼んだエルビスサンドって何??」



包み紙をガサガサと開けながら私はリョーマくんに聞いた。
リョーマくんとドリンクを飲みながら私の方を見た。



「アメリカでは有名なサンドイッチだよ。エルビス・プレスリーの大好物で、エルビスサンドっていうんだけど」

「へえ・・・!」

「カロリーも中身もヤバイし、日本人の口には合わない組み合わせかも」

「何が入ってるの・・・!?」



リョーマくんは包み紙をあけて私にサンドイッチを差し出す。

見た目は・・・・・普通。焦げ目のついた耳のついた食パンのサンド。
中身は見えないけどどんな味なんだろう?
さっき作ってる(?)ときに物凄い匂いがしてたけど。
なんていうか、映画館のポップコーン売り場みたいな甘ったるい匂いが・・・

私は恐る恐るそれをひとくちだけ頂いた。食べた瞬間に今まで味わったことのない 強烈な甘さとしょっぱさが口の中に広がる。な、なにこれ!ビックリした私は 物凄く妙な顔をしていたらしくリョーマくんが吹き出して笑ってた。

甘いけどしょっぱくて・・・・・・!?何これ・・・・・・???



「味はどう?」

「な、なんかすっごく甘いのきたと思ったら塩っ気もあって・・・・・何の味なのかわかんないけど・・・ うん、すごく美味しい」

「これね、ピーナッツバターとバナナと・・・ブルーベリージャムが挟んであって。 塩っ気があるのはカリカリに焼いたベーコン。それをグリルしたパンでサンドイッチ。」

「ええー・・・!!!でも確かに日本人が絶対思いつかない組み合わせだね・・・!」

「向こうでは塩っ気のあるものと甘いもの合わせるのって結構普通だからね。 あっちの学校行ってた時に友達が教えてくれたんだ」



リョーマくんは懐かしそうな顔をしながら一口食べた。
そして「うん、美味しいし懐かしい」って言ってモグモグと2口目、3口目といった。

和食が好きだっていってるリョーマくんがこんなにジャンキーで甘ったるいものを 食べているのが不思議だったけど、アメリカ生活が長いリョーマくんにとって あっちの食事も思い出なんだろうな。
だってブルーベリージャムとピーナッツバターとバナナとベーコン・・・!
味の組み合わせもアメリカ人らしいし、何よりカロリーも凄そうだ。



「いつか」

「?」


にも本場の味食べて欲しいね」

「えっ」

「あっちのはもっと甘さがヘビーなんだよね。連れて行ってあげたい」

「・・・!」



それってこれからも一緒にいていいってこと?海外行けるぐらいまで私って リョーマくんの居心地がいいってこと??海外行くって事は 行けるような年齢まで一緒にいてくれるってこと?

一言でいろんな妄想が巡った私は黙ってしまった。
それに気づいたリョーマくんが「そ、そんな深く考えなくてもいいんじゃない?そこはハイで」 って突っ込んでくれた。「う、うん!行きたい!」っていうとリョーマくんは嬉しそうに笑った。 「でもエルビスサンド食べたら太っちゃいそうだね」と私が言うと 「、こういうの好きそうだもんね」と分かってくれてる事を言うのがまた嬉しい。 「そん時は素直に太ったねって言うから」と意地悪な事を言うのも可愛い。

甘い一面を見せたと思ったらツンツンしたり。
その塩梅がたまらない魅力。


リョーマくんってエルビスサンドと似てるんじゃないかなって思った。













リョーマと一緒にピクニックしたい(17.8.28)